広島市が市民に対するコロナPCR検査を無料で行うと発表した。遅まきながら決断した市長には敬意を表したい。
今回のような感染症の蔓延予防対策の基本は、感染者を見つけ出すことと、その感染者を一定期間隔離することである。このようなことは感染症の専門家でなくともこれは誰が考えても当たり前のことである。然るに日本政府は医療崩壊が云々と、よく理解できないような事を理由にしてPCR検査を許さず、また感染者の隔離も、いい加減な対応を行なって来た。そして抜け穴だらけの不要不急の外出禁止などという効率の悪い対応を国民に強いて来た。その挙げ句が今日のような長期間にわたるだらだらとした対応で、医療崩壊に止まらず社会崩壊を招いてしまっているのだ。
今回、広島市が市の負担で全市民に対してPCR検査を実施すると発表したのである。
これに対しては多くの市民は歓迎しているが、一部の専門家の反対意見が報じられている。
その理由は検査を行った結果、陽性者の取り扱いで医療機関の大混乱となってしまうからであるとのことである。このような意見をいかにも、「したり顔」で話している感染対策の専門家が存在していることに驚いている。感染者を発見してはならないということなのである。全く公衆衛生の基本を知らない専門家なのだろう。
一般人に対するPCR検査は病院の発熱外来での検査とは異なるのである。1日に1万人の検査を行ってもその中に陽性者は1〜2名だろう。この人たちを病院あるいはホテルに収容してゆけば良いのであってそのくらいの対応は医療機関の協力を得れば十分可能だ。
今回の広島市の英断で自治体が独自で住民のPCR検査を行うことができるのだということを明らかとした。東京都知事も都民を感染から守るために早くからPCR検査を行うことができたのだということであり、知事が国の方針ばかりに従って何ら独自の対策を打てなかった責任を感じてもらわなくてはならない。