地方自治における議会議員の役割

先日テレビで千葉県の某所で金属解体のような工場の騒音問題が話題になっていました。しかもその会社は中国の会社であり、言葉が通じないとのことで住民が県に頼んでいるが、なかなか、らちがあかないとのことである。このような生活上の問題で行政が関与している事例ついて県民はどのような対応を取るのが良いのかという問題です。

地方自治体のホームページには役所が住民へのサービスの一環として地区地区に消費者センターあるいは相談窓口を開設しているとなっている。しかし、このような相談ごとを役所に言っても面倒な手続きなどで時間もかかり、らちが明かないという話が聞かれます。

今回の騒音の問題でも、この事業主に営業許可を与え管理しているのは県知事を長として行政事務を執行してきた役所(県庁)であるのです。その同じ役所が運営する消費者センターにとっては、自分達が許可した事業に対しての苦情は嬉しい話ではないのでしょう。許可を取り消すのは、それなりの理屈付けが必要であるので、何らかの小さな違法性のある事柄を探し出し罰金を課すに留まっているのです。しかし今回の事例でも罰金の額は少額であり、企業としてそれが負担となるものではないのです。

地方自治においても立法、行政、司法が独立し、いずれの権力の濫用も防ぐために相互に抑制しあい住民の権利を保障する意味での三権分立が守られなくてはならないのです。

議会議員は住民による選挙で選ばれ、「議会」を構成し立法府としての役割を果たすのです。

同様に知事など首長も住民の直接選挙により選ばれ、行政を行う執行機関としての「役所」(県庁)の長となるのです。

ここでは「議会」は「役所」と対等な立場であり、立法府として条例を作る役割であると同時に首長が執行している行政内容を監視する役を担わなくてはならないのです。

今回のような行政内容のチェックに関して担当部門である「役所」としては、自分達の権力で都合の良いように計らう危険性があるので、同時に「議会」にも話を通し行政内容の監視のための機能を果たしてもらうことが正しい三権分立のルールなのです。

住民は地元の議員に話して、議長に対して請願書を提出することを依頼するのです。住民からの依頼を受けて働くことは議員としての義務であるのです。

役所は自分達の活動が監視されることを歓迎しないので、住民が議員を使って自分達の行政を監視することが悪いことのような風潮を作って来ているきらいがあります。役人は住民の下僕だと言われていますが、そのように自覚している人はいないでしょう。

住民は自分達の権利を守るために議員への陳情を躊躇せずに行うのです。これを受け付なかったり、動いてくれない議員には次の選挙で投票しないことにすれば良いのです。

現在は地方議会の役割、議員の存在が薄くなっており、また議員自身も自分の立場を行政執行側の人間であるかのような誤解をしていて、三権分立の意識がない人が多いのだと感じます。住民一人ひとりが議員と同じ立場で行政を監視して行くのであると自覚することも必要です。そして身近な事例を自分達の行動によって変えさせることが出来たという成功体験から選挙で議員を選別することの重要性も確認することが出来るのでしょう。

そして国政選挙も身近なものになって行くのでしょう。