最近の10年間に何度も中国を訪れて来ているが、はっきりとは意識してはいなかったが最近テレビの天気予報図の変化である。中国全土、東北部の黒竜江省、北部内モンゴル、西の新疆地区、チベット、南の雲南、海に出て海南島、福建、山東、北京とぐるりと国境線に沿った天気予報も行われている。勿論香港、台湾の天気予報も出ている。この中でいつからか尖閣諸島、魚釣島の天気予報が必ず報道されるようになっている。毎日見せられている人達は実効支配ではなくとも無意識の内に魚釣島は中国の領地なのだと思うようになるだろう。
日本では最近この辺りの海域には中国海軍の船が常時停泊しているというニュースが流れている。中国の狙いは何なのかと評論家が色々と話をしているが、目先のことではなく長い年月をかけて領土を拡大する戦略は大昔からの中国の歴史の中に繰り返されてきた国取り合戦の続きでありこれは中国人の性と考えておかねばならないのだ。これに反対する国民はいないだろう。単に領土を広げることが目的ではなく、先端技術、新しい知恵、その他の多くのものを取り込むことが目的なのである。
このように中国は次の時代を考えてしたたかに戦略を巡らしてきているので、周囲の国はそれをはやく見破り、防護処置、対抗処置を取ってゆかないと気がついた時には手遅れであると言った事態も来るのだろう。
日本の山林が多く中国人によって買い取られているというニュースがある。また優秀な研究者、技術者が定年後の中国の企業に移っているそうである。中国からの招聘では多くの研究費、スタッフが用意されているとなれば中国で研究を続けたいという気持ちが動くことは十分理解できる。日本政府は新しい技術開発を国の宝として守らなくてはならない。このようなことに税金を使うことには国民は文句を言わないだろう。