医師との信頼関係の崩れた厚労省のあがき

感染症法改正案が15日専門家会議で了承されたと報じている。

内容を見ると最後のあがきという状態のようだ。1年前に日本医師会などに要請して然るべき予算措置と共に発議すれば少しの抵抗はあっても実現していたかもしれない。各病院ともに空床は持っていたと思う。医師はこのような事態への対応での原則的は感染者同定のための検査と感染者の隔離である事を知っているからである。

然るに感染拡大防止の専門家である公衆衛生の専門家ではなく、厚労省の言うことに従う感染症専門医(感染した患者を治す専門家)を中心とした感染拡大阻止対応には素人の集団で対策を練ったところから失敗が始まっている。

なぜ1年前にやらずに無策のままにして有効な手を打たず、今の時点で半ば強制的にベッドを差し出せと迫り、出さなければお叱りがあるぞと脅しているのか?

そもそも厚労省は以上前より病院のベッド数を減らすことに躍起となっており、いろいろと難題を押し付けて病院から許可病床数の削減を迫り、弱い者いじめを行って来た。日本全体としては相当数のベッド数が減らされて来ているはずである。これはベッド削減が医療費の抑制につながると考えてのことだろうが、そのためにどれだけの病院が損害を被ったことだろうか。しかしこのベッド削減策も結局は失敗なのであり、国民に迷惑をかけた責任を病院にかぶせて来た。以前に厚労省は同様の理由で医師の削減を行い、結果としては医療費削減には効果がなく、医師不足、地域による医療格差問題になっているというのと同じ失敗の繰り返しだ。厚労省は誰も責任は取らないまま、言う事を聞かない病院は不利益な事になるぞとの脅しを行っているのだ。

この時点で病院が協力してコロナ専用ベッドとして提供した挙げ句が、コロナが終息した時点でお礼を言うどころか、そのコロナように提供したベッドを返上するように迫ることすらやりそうである。 もっと日本人の健康を預かる医師の存在に対して協力的な態度で信頼関係を築いていれば日本の医師はコロナベッドを喜んで提供しただろうと思う。今に及んでもまだ上から目線で行政の力を振り回しても事態は好転しないだろう。