五輪組織委員会理事逮捕

東京へのオリンピック誘致活動を行なっていた頃は、その前のロンドンオリンピックを真似て経費の掛からない大会を開催すると言うことで多くの日本人は賛成したのだと思う。
しかし東京開催が決定した当初から種々の問題が起こり、メイン会場となる国立競技場の設計の変更、東京オリンピックロゴは決定され、あちこちで見ることができるようになっていた段階で盗作問題が起こり撤回されたりして先の運営に怪しさが出ていた。また可及的に既存の競技会場を使用するとされていたが、結果は、ほとんどの競技会場が新しく建設された。この結果予算は膨らんで行ったとされるが、そのスケールは何倍増という予想を超えたものとなった。このような会場建設計画に合わせて、築地市場の豊洲への移転計画も急速に進められ、結果としてオリンピック開催が東京という街の作り変えにまで進み都民には、どこまでがオリンピックのための工事なのか分からない状態となり、どのような予算で行われているかも明確に知らされなかった。
さらにコロナ感染で開催が1年延期されると混乱はさらに深まったと思われる。そして当然運営経費が膨大になることは明らかである。
この大会組織委員会自体も前の森会長がセクハラ発言などで退任し、委員会組織としての
まとまりが十分で無かったとも考えられる。このような状況で大会組織委員会の理事であった高橋氏が個人的に暗躍しスポンサー選定などをめぐって多くの業者から賄賂を受けていたことは当然の結果であろう。大会組織委員会としては如何にして協賛費用を集めるかという差し迫った状況であったので高橋氏の行動のチェックは甘くなっていたのだろう。
そしてこのようなスポンサー料が運営経費の半分以上を占めていると言われているが、
そのスポンサー契約「ゴールドパートナー、オフィシャルパートナー、オフィシャルサポーター」3種類があるが今回のAOKIホールディングスとは一番コンサル料の安いオフィシャクサポーターの契約であったそうである。ゴールドパートナー契約はこの10倍近いコンサル料であるとされている。これを考えると今回の賄賂事件はほんの氷山の一角であることは当然考えられることである。
大会組織委員会としての監視責任が問われるが報道では全く触れられていない。
これらの不正活動の調整を行なってきたのはまたしても電通である。マスコミを統括している電通は今後の捜査の進展にも影響力は大きいだろう。これ以上大きな不正は無かったこととして幕引きを行うのであろう。今回の大会運営についてIOCは大変に良好な財務運営であり、今後の大会の模範となると言ったコメントを発表したそうであるが、これも電通が言わせたのであろう。
電通に支配されているマスコミ報道も表面的には電通の関与をよしとはしていない形であるが、今後追求して報道するつもりはないのだろう。
最後に新聞の報道の仕方であるが「五輪組織委員元理事」としているが、この不正は現任の時の問題なのであるから「五輪組織委員会理事であった高橋氏」とかにすべきである。
五輪組織委員会として責任が問われる問題なのである。