中国のEV車の本格的普及度に驚いた

先日中国広東省の東莞市の東莞肝胆医院からの依頼で医療改革についての話し合いに出かけてきた。東莞市は40年前までは農業地帯であったが深圳、香港の中間に位置し台湾にも近いことから、多くの工場が林立した工業都市となった新興地域である。人口は180万人であり周辺の都市への野菜、穀物類の供給を担った農業都市でもあるようである。

楊貴妃の好物とされているレイシーの産地として知られている。

今日は医療問題ではなく街を走る電気自動車の現在の状況に驚いたのでご紹介したい。

東莞も他の都市と同様に市内の道路は特に朝夕は大渋滞である。

電気自動車のナンバープレートは緑色であり普通の車の青のプレートとは直ぐに見分けが付く。ホテルの部屋から早朝の車の列のナンバープレートを観察してみた写真です。

全体の約5割弱がEV車であった。同行していた北京のドクターもEV車を使用しているそうであるが、北京では5割を超えているかもしれないとのことであった。

現状では不都合はないとのことであり、1回の充電で500km走れて、充電時間は1時間。夜間の安い電気で充電しているとのことであった。現在は一戸建ての家では充電装置が整っていないところがあるが、殆どのマンションでは充電装置整っており以前のガソリン車よりも扱いは楽であるとのことであった。もう試験段階ではなかったのである。

中国での電力事情を聞いたが、あまり詳しいことまでは知らないそうだが、原子力発電より太陽光発電の比率が上がってきており電力不足の事例はないそうである。中国の広大な砂漠に太陽光パネルの敷設が進んでいるのである。

数年前に新疆ウイグル自治区のトルファンの火焰山に行ったことがある。トルファン市街から車で延々と続く赤い平原とレンガ色の丘陵、冷房の車でも暑さで苦しい状況の中1−2時間で火焔山に到着した。火焔山と言っても広い平原の中の施設であり広場の中に立っている「金棍棒」と名付けられている温度計は65°を示していた。

周囲は無限大と思われる焼けた平原が広がっている。

中国はこの他にも広大ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、そしてまだまだ多くの砂漠地帯を有している。

詳細は分かりませんがこの無限の広さの平原に太陽光パネルを敷き詰める作業が進んでおり、この電力でEV車が走っているのだと言って居られました。

中国は新疆ウイグル地区統治には人種問題、宗教問題など苦労してきていますが、一帯一路の欧州との連結の要であるばかりではなく、エネルギー問題の解決の重要な土地でもあったのでしょう。日本では大切な緑を犠牲にしてパネルを敷設する土地を探しているのでしょうが、全くスケールが違います。技術開発力のある日本がやるべきことはより抵抗の少ない動線を国費で注ぎ込んで開発し、中国の砂漠を借りて発電した電気を日本まで運ぶための研究に多額の国費の注ぎ込むことでしょう。このような事業は民間企業の努力に頼るのではなく国営の開発事業として取り組むべきなのです。