ワールドカップで善戦した日本チームを迎えた空港での報道

ワールドカップサッカーで日本代表は決勝トーナメントに進出したものの、初戦でブラジルに逆転負けを喫した。

試合後直ぐに代表チームは帰国し、その空港での様子が各メディアで報道された。しかし、その中で流れた一部報道のテロップやアナウンサーの言葉に、私は大きな違和感を覚えた。

日本代表は厳しい予選を勝ち抜いて決勝トーナメントに進み、初戦の相手は優勝候補のブラジルだった。しかも日本は先制点を挙げ、一時はリードした。その後逆転を許したとはいえ、敗戦はわずか1点差である。私は、まずは「よく戦った」「健闘した」と称えるべき試合だったと思っている。

ところが報道では、「ご苦労さまでした」というような労いの言葉よりも、森保監督の「去就」を大きな話題として取り上げているように感じた。

本来、「去就」という言葉は、大会全体を振り返り、さまざまな分析や検証が行われ、課題や反省点が明らかになった後に、監督の進退が議論される段階で使われるべきものではないだろうか。帰国したばかりの空港で、いきなり「去就」という言葉が繰り返されれば、多くの視聴者は「もう監督の責任問題が明らかになったのか」という印象を受けてしまうのではないかと感じた。

現在の報道は、各社が競い合う中で常に新しい話題を作り出さなければならない事情があるのかもしれない。しかし、その結果として、まず選手や監督の健闘をたたえる姿勢よりも、責任論を先行させる報道が当たり前になっているとすれば、それは少し行き過ぎではないだろうか。

日本人の多くは、たとえ予選で敗れて帰国したとしても、「ご苦労さまでした」「よく頑張りました」という気持ちで迎える、温かい心を持っている。そのような日本人の感覚や価値観を、報道ももう少し大切にしてほしいと、私は強く感じた。